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蔦屋重三郎の異種百人一首LOD

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2017年から構築している小倉百人一首LODは、平安時代後期から鎌倉時代初期に藤原定家が編纂した「小倉百人一首」の和歌百首をもとにした作品である。一方で、後世には「異種百人一首」と呼ばれる多種多様な「百人一首」が存在する。今年度のエントリー作品では、それらの中から江戸時代中期に蔦屋重三郎が刊行した異種百人一首2点を対象とし、LODのデータを作成した。2025年にNHK大河ドラマで蔦屋重三郎を主人公とした『べらぼう』が放映されたことを記念した、LODチャレンジ2025の応募作品である。今後、蔦屋重三郎以外の版元にもデータを拡充すれば、小倉百人一首の和歌から多様なパロディーを楽しむことができるようになる。
Update: Jan 24, 2026

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【エントリー作品の詳細説明】 小倉百人一首LODは、全国各地の図書館に所蔵している古典籍の画像データと翻刻データなど、小倉百人一首に関連する情報を提供するデータセットである。LODチャレンジ2017においてデータセット部門最優秀賞を受賞し、以後、英語翻訳資料、音声データ、葛飾北斎の浮世絵画像など関連のデータの追加を実施してきている。これまでのデータは、藤原定家が編纂した「小倉百人一首」の和歌百首をもとにした作品である。一方で、「百人一首」には「異種百人一首」といわれるジャンルが存在する。これは、小倉百人一首の影響を受けて後世に作られたもので、小倉百人一首とは異なる和歌や狂歌をあつめたものである。今年度のエントリー作品では、それらの中から蔦屋重三郎が刊行した狂歌の異種百人一首2点を対象としてLODのデータセットを作成した。蔦屋重三郎(1750―1797)は、江戸時代中期(安永・天明・寛政)に活躍した版元である。2025年にNHK大河ドラマで蔦屋重三郎を主人公とした『べらぼう』が放映されたことをうけ、LODチャレンジ2025の応募作品とした。 LOD化した2作品は異種百人一首というジャンルの特徴をあらわした2種を選んでいる。 ・『道外百人一首』は元の小倉百人一首のもじり(パロディー)となっているものである。このようなもじり系の異種百人一首は『犬百人一首』『どうけ百人一首』『新選戻理道外百人一首』『蜀山先生狂歌百人一首』など、数多くみられる(参考文献:武藤禎夫『江戸のパロディーもじり百人一首を読む』東京堂出版, 1998)。 本作品は刊記に「天明四甲辰正月 耕書堂 江戸通油町 蔦屋重三郎板」と入っており、絵は山東京伝が描いたものと言われている。元の和歌を踏まえた内容であるため、語彙にkaruta:isParodyOfを追加して、元の小倉百人一首LODの和歌リソースとリンクを形成した。 ・『古今狂歌袋』は、戯作者の宿屋飯盛(石川雅望)が、当時、流行していた狂歌を百首選んだものである。巻末に「書肆 東京本町筋北エ八丁目通油町 蔦屋重三郎梓」と入っている。ほとんどが元の小倉百人一首とは関係なく、あるテーマに沿った作品を百点集めたというパターンであり、これも、異種百人一首の一つの典型である。ただし、このパターンの場合は、LOD化した時に、元の小倉百人一首LODにリンクできる先があまり無いという問題点がある。『古今狂歌袋』の場合、元の小倉百人一首を踏まえた作品は2首のみであった。 【作成したデータ】  新規作成データ  ・異種百人一首LODのリスト:https://linkdata.org/work/rdf1s10403i  ・道外百人一首(東京都立図書館所蔵):https://linkdata.org/work/rdf1s10404i  ・古今狂歌袋(国立国会図書館所蔵):https://linkdata.org/work/rdf1s10405i  修正したデータ ・小倉百人一首かるたデータ https://linkdata.org/work/rdf1s6834i  ※ hasParody に異種百人一首へのリンクを形成した。 【データモデル】 LinkData.orgでは、入れ子のRDFを書けないため、従来の小倉百人一首LODと同様に、今回のエントリー作品も複数のファイルに分割している。まず、異種百人一首のリストを作成し、書誌のリソースを設定した。また、それぞれの作品については、個々の和歌(狂歌)をリソースとして設定している。書誌のリソースと個々の和歌のリソースはdcterms:isPartOf、dcterms:hasPartで相互にリンクしている。 今回の作品では、独自語彙として、karuta:isParodyOfとkaruta:hasParodyを追加した。例えば「田子の浦に打出でてみれば白妙のふじの高嶺に雪は降りつつ」という小倉百人一首のリソースから「足袋のうらに踏みつけみればいたづらな瓜の種をば包みおきつつ」と「田子の浦にうち出てミれはそのゝちの宝永山も雪ハふりつゝ」のリソースにkaruta:hasParodyのリンクを形成するような要領である。逆向きのリンクがkaruta:isParodyOfとなる。もじり系の異種百人一首のデータを増やしていけば、同じ和歌から多様なパロディー作品が楽しめるようになる。 ※なお、2020年時点での小倉百人一首LODのデータモデルは「小倉百人一首 LOD のデータモデル設計と構築」『情報の科学と技術』2021 年 71 巻 8 号 p. 376-381( https://doi.org/10.18919/jkg.71.8_376 )で公開している。 今回追加した語彙も含めた最新の語彙の一覧は、小倉百人一首のLODの解説サイト (https://karutalod.web.fc2.com/ogura.html)で確認できる。 【IIIFの活用】 本作品で対象とした2点の古典籍は、見開きに複数の狂歌が掲載されているため、IIIF(International Image Interoperability Framework)のImage API技術を使って、当該の狂歌にのみリンクしている。くずし字が読めない者にとっても、IIIFによる画像の切り出しが行われているため、間違いなく対応関係がわかるようにした。なお、小倉百人一首LODのIIIF対応に関しては、LODチャレンジ2018でLinkData賞を獲得している。(https://idea.linkdata.org/idea/idea1s2623i) 【既存オープンデータの活用】 小倉百人一首LODは、各地の図書館でオープンなライセンスを付与して公開されている古典籍の画像データを、リンクすることで、新しい発想でのデータの活用が可能になることを示している。今回の作品は、国立国会図書館のオープンデータとともに、東京都立図書館のオープンデータも活用した。東京都立図書館の所蔵資料は、ライセンスもパブリックドメインと明示されており、東京都立図書館のサイトでも公開されている。さらに、同じデータが国文学研究資料館のIIIFを使って提供されていたため、画像位置を特定することが可能であった。データを流通させることで、活用の可能性が広がることを示している。 【独自性・発展性】 小倉百人一首には、遊びとしての知名度・人気があり、かつ和歌研究にも膨大な資料的な蓄積がある。異種百人一首についても、膨大な作品があり、小倉百人一首だけではない、テキスト(内容)の面白さを味わうことができる。今回は2作品だけだが、蔦屋重三郎が刊行した本の中から、典型的なパターンを2つ抽出した。今後、異種百人一首のデータを増やしていけば、その時代の流行や背景などを理解することができるような、広がりがある素材である。
Update: Jan 24, 2026 (Nanako Takahashi)
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【作成したデータのグラフサンプル】 山部赤人「田子の浦に打出でてみれば白妙のふじの高嶺に雪は降りつつ」という小倉百人一首のリソースから『道外百人一首』「足袋のうらに踏みつけみればいたづらな瓜の種をば包みおきつつ」のリソースと『古今狂歌袋』「田子の浦にうち出てミれはそのゝちの宝永山も雪ハふりつゝ」のリソースとのリンクを図示した。
Update: Jan 24, 2026 (Nanako Takahashi)
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【エントリー作品】
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Update: Jan 22, 2026 (Nanako Takahashi)
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【エントリー作品】
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【エントリー作品】
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【エントリー作品】
Update: Jan 22, 2026 (Nanako Takahashi)
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【関連サイト】小倉百人一首LOD http://karutalod.web.fc2.com/ogura.html
小倉百人一首のLOD(Linked Open Data)のためのウェブサイトです。
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【利用しているオープンデータ】 国立国会図書館デジタルコレクションに収録されたオープンデータのデジタル画像を利用している。
国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/
国立国会図書館デジタルコレクションは、国立国会図書館で収集・保存しているデジタル資料を検索・閲覧できるサービスです。
Update: Jan 22, 2026 (Nanako Takahashi)
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【利用しているオープンデータ】 東京都立図書館デジタルアーカイブに収録された資料について、国書データベースの画像を利用している
東京都立図書館デジタルアーカイブ TOKYOアーカイブ https://archive.library.metro.tokyo.lg.jp/
都立図書館が所蔵する江戸・東京関係の画像を検索・閲覧することができます。
Update: Jan 22, 2026 (Nanako Takahashi)

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